原材料によって含有量や、反応性の高さが変わる腐植酸。
そしてさらに腐植酸の価値を左右するのが、「抽出方法」です。
泥炭や亜炭のような原材料を、高含有の腐植酸資材として製品化にするには、抽出という過程が必要になることがあります。
抽出方法は官能基が「フリー」か、「塞がっているか」を決定づけます。
腐植をほどく
腐植酸はそのままでは水に溶けない不溶性。
原材料から製品にするには、一度水に溶かして成分を均質にする必要があります。
そのために行われるのが「アルカリ処理」です。
まず、天然の原材料だと、高分子腐植酸の金属架橋や共有結合架橋が存在していて、反応性が低くなっている箇所があります。
それを、一度ほどいて、低分子腐植酸にして反応性を高くしてあげる必要があります。
そこに使われるのがNa⁺/K⁺を含む強アルカリ溶液。
二価の陽イオン(Ca²⁺/Mg²⁺)などで華僑している構造を、一価の陽イオンNa⁺/K⁺で置換します。
価数で何が変わる?
Ca²⁺/Mg²⁺とNa⁺/K⁺で違うのは、「電価」です。
二価の陽イオンは、エネルギーを安定させるために、電荷のバランスを埋めようとします。
そこで二価の陰イオン1つか、一価の陰イオン2つと「手をつなぎ」結びつこうとします。
腐植酸のカルボキシル基やヒドロキシ基は一価の陰イオンです。
つま二価の陽イオンが腐植酸の官能基を2つ結びつけて金属架橋をつくり、高分子腐植酸になります。
この状態の官能基は手が塞がった状態です。
しかし一価の陽イオンだと、官能基1つしか結びつけられないので、架橋構造を作ることはできません。
高分子腐植酸は二価の陽イオンとの金属架橋でかなり強く結合していますが、アルカリ処理により高濃度のNa⁺/K⁺で押し出すことにより、金属架橋をほどくことができます。
ただこのままではNa⁺/K⁺と官能基が結びついています。
つまりこの状態も官能基が塞がった状態です。
次回はこの官能基をフリーにする工程を見ていきます。


