代謝の渋滞

前記事の通り、激しい運動による疲労の主な原因は、ATPの分解過程で大量に発生する水素イオンH⁺ による細胞内の酸性化です。

チアミンがここに効く!

チアミンは「解糖系」という工場でできたピルビン酸というエネルギーの材料を、

「クエン酸回路」という次の工場に送る

脱炭酸反応」というプロセス に関与しています。

脱炭酸反応を分かりやすく説明すると…

ピルビン酸(■■■)という三つの■でできた出来立て熱々のパーツがあります。

ピルビン酸は次の工場に入りたいんだけれども、

■1つ分が邪魔で入れない!

そこで職人が1つ分切り離すという作業をしています。

しかしこのパーツは熱々なので、手袋が必要!

そしてこの手袋がビタミンB1でできているのです。

できた■■はアセチルCoAという名前に変わり、

切り離された■は、炭酸ガス(CO₂)という名前になります。

このプロセスで炭酸が外れるから「脱炭酸」と呼ばれるのです。

チアミンが不足すると…

もし手袋(チアミン)がなかったら…

職人の仕事の効率が悪くなっていきます。

■■■ ■■■… がどんどんたまっていき、渋滞が発生!

職人の手に負えなくなると、緊急ラインが作動します。

緊急ラインでは、ひとまず■■■の形を変形させ、乳酸(▲▲▲)として工場外に出してしまいます。

しかし、なにかとイカつい形(水素イオン部分を持っている)をしている乳酸は、工場外で事故を起こしたりしてしまうわけです。

つまりチアミンは工場全体を滞らせないよう重要な役割を持っているということです。

とはいえ手袋も消耗品。

あっという間にぼろぼろになる手袋を新品に変えたり、丈夫にしてくれるのがミネラルの役割です。

次回、チアミンにかかわるミネラルについてみていきます。