有機肥料と無機肥料。
なんとなく有機肥料はマイルドに効いて、無機肥料は即効で効く。というイメージがあります。
たびたびこのサイトでは従来のイメージを払拭することに力を注いでいますが、今回も拭い去っていきたいと思います。
保証成分量という数字
有機・無機、どちらも共通してある窒素–リン酸–カリウムの表示。
成分はこの割合を下回りませんよ!という信頼の証ですが、正直違っても気づけない気がする…
無機肥料には高度化成肥料という分類があって「14-14-14」のように窒素・リン酸・カリウムの合計成分含有率が 30% を超えるもののことを言ったり、それ以下のものは普通化成肥料と言ったりします。
一方、有機肥料は天然の素材由来であるため、窒素・リン酸・カリウムの合計成分含有率が比較的低いことが多いです。
確かにこれだとマイルドに効くんだろうなというイメージ。
効き方は形態によって変わる
しかし有機肥料だろうが無機肥料だろうが効く早さは、その成分がどの様な「形態」をしているかによります。
窒素を取り上げてみると「アンモニア態窒素」と「硝酸態窒素」。
ここに有機質肥料の「アミノ酸」などが入ってきます。
どれが早く効くかといえば畑作では硝酸態窒素(NO₃⁻)、稲作ではアンモニア態窒素(NH₄⁺)ということになります。
さらに近年の研究では、植物はアミノ酸を分解して無機態窒素にする前段階で、アミノ酸をそのままの形で直接吸収していることも分かっています。
ともすると、有機だろうが無機だろうが、どんな肥料でもなかなか早く利きそうだぞ…
ただ、有機・無機肥料を使っている実感として、葉の色をガツンと濃くできるのは無機肥料一択。
なぜ危機が早いはずの有機肥料がマイルドなのか、そのプロセスを見ていきたいと思います。


