色を濃くするホルモン

植物は少ない光でも光合成するために、3つのホルモンを使います。

  • サイトカイニン
  • オーキシン
  • ジベレリン

「オーキシン」や「ジベレリン」は自身を徒長させて光を獲得しようとしますが、

苗遮光実験で得られた葉色が濃くなる現象は、

「サイトカイニン」

というホルモンに起因します。

サイトカイニンの役割

サイトカイニンは、

  1. 葉緑素の分解にストップをかける(老化抑制)
  2. アンテナタンパク質の維持・補強
  3. 栄養の引き寄せ

という働きを持っています。

光が途切れると、植物の体内では葉緑体を分解する酵素が働き出します。
しかしサイトカイニンは「まだ諦めるな!」と信号を出し、葉緑素(クロロフィル)が分解されるのを強力にブロックします。

またサイトカイニンは葉っぱに対して少ない光でも捕らえられるように、光集めてくるアンテナ「LHCII」を維持・強化する命令を出します。
この結果、クロロフィルの密度が維持され、葉の緑色が濃く保たれます。

遮光されて光合成で栄養が作れなくなっても、サイトカイニンが残っている葉っぱは、体内の他の場所から栄養を奪い取ってでも葉緑体の構造を守ろうとします。

以上の役割を十分に果たすには、サイトカイニンの出どころである「根」が健康である必要があります。

遮光したときに「色が濃くなった」ということは、その苗の根が元気で、サイトカイニンをしっかり葉に届けられていた証拠でもあります。

ストレスを許容する土台は根にあるということが分かります。

次回は「LHCⅡ」についてみていきたいと思います。