茶の「覆下栽培」ではテアニンというアミノ酸がカテキンになることを防いでいます。
それではまず、テアニンがカテキンになるプロセスの中で植物の体の中では何が起きているかを探っていきます。
テアニンは窒素によって増加する
上の文献では、施肥量の削減によりテアニンの含有量は大きく低下するということが示されています。
これは、テアニンが植物にとって「窒素の貯蔵形態」だからです。
お茶は作物の中でも特に窒素要求量が大きいことで知られています。
- 年間窒素施用量:30〜60 kg/10a
- 多収・高品質玉露やてん茶:60〜100 kg/10a
茶が特殊なのは、この吸収した窒素をタンパク質ではなく遊離アミノ酸(テアニン)として大量に蓄積するということです。
窒素は高濃度だと細胞毒性を引き起こします。
そこでアンモニアをグルタミン酸とくっつけて無毒なテアニンにかえてから貯蔵します。
季節と共に「根 → 幹 → 新芽」へとテアニンが移動し、新芽の成長に使われているのです。
防御のカテキン
ここからは「光」が最大の鍵となります。
新芽が紫外線を浴びると、新芽の細胞内で酵素が活性化します。
これにより、テアニンは再びグルタミン酸とエチルアミンへと分解されます。
それを起点としてポリフェノール合成を司る酵素が一斉に活性化します。
ポリフェノールは、強い紫外線から身を守る日焼け止めのようなもの。
なかでもカテキンはポリフェノールでもトップクラスの抗酸化力。
紫外線によってできた活性酸素をできた傍から消去するような働きを持っているのです。
となると、カテキンにならずテアニンのままの覆下栽培は、紫外線に弱いということ。
しかしこれを利用すれば、紫外線に適応能力のあるさくもつができるかもしれません。
次回、実験編!


