自然界にある太陽の光。
晴れた日には、地面を温めるように光が注がれ、
雨や曇りの日にさえ、雲の隙間から差し込む光で当然のように日常生活を営むことができます。
人間にとっても植物にとっても生きるために欠かすことのできない光。
でも、
「もしそれを人為的に制限したら?」
「あえて」遮光する技術
栽培の世界には植物を「あえて」遮光することで、製品の品質や生育をコントロールする技術があります。
まずは、
- 酷暑の回避。
- 近年の酷暑では、光が強すぎて葉が日焼けしたり、地温が上がりすぎて根が傷んだりします。トマトやほうれん草などの栽培では、夏場に20〜50%ほど光をカットする遮光ネットを使い、ハウス内の温度を下げて生育適温を保つ工夫が不可欠になっています。
- 軟化処理(ブランチング)
- ネギ・アスパラガス・セロリなどの野菜は土を盛ったり「土寄せ」、遮光シートで覆ったりして光を遮り、白い部分「軟白」を作ります。
- 短日処理
- 「短日植物」は、昼の長さが短くなると花を咲かせる性質があります。これを利用して、日中に黒い遮光幕で完全に光を遮り、「秋が来た」と植物に錯覚させて開花時期をコントロールする技術があります
このように、日光を遮断する技術は意外にも一般的に行われていたりするのです。
カテキンとテアニン
「遮光」というと真っ先に思い浮かんだのは「茶」の栽培についてです。
緑茶には「カテキン」が多く含まれており、抹茶には「テアニン」というアミノ酸が含まれています。
テアニンはカテキンの変化前の姿です。
テアニンは、日光、紫外線を受けることでカテキンへと変化していきます。
その日光、紫外線を浴びないように遮光すること。
これを
「覆下栽培(おおいしたさいばい)」
と呼び、そのもとで栽培された茶葉は香りや色が向上し、「抹茶」として日本の茶文化の中でも重要な役割を果たしています。
次回は、その栽培方法について生理的な観点から迫っていきたいと思います。

