どの微生物にとっても、というか
私達人間にとっても最重要栄養素である「カロリー」。
栄養素というのも変かもしれませんが、これまで話題にあげ良いとしてきたビタミンやミネラルをたくさんとったとしても、カロリー摂取がなければほとんどの生命活動は行えません。
流行りの食事制限ダイエットなどで陥りやすいのも、カロリー不足なのではないかと思います。
栄養の話題では積極的に脱線していこうと思いますが、というのも、土づくりの本質は土壌微生物を健康にする行為であり、菌などは植物よりも人間に近い系統です。
人の健康をひも解いていくことで、基礎的な部分が同じ土壌微生物の健康にもつながっていくと考えています。
カロリーとは
栄養学でいう「カロリー」とは、食品に含まれるエネルギー量を指します。
1 kcal = 水1 kgの温度を1℃上げるエネルギー。
食品に表示されているカロリーは、その食品を食べたときに体内でどれくらいのエネルギーに変わるかを示しています。
利用方法~人~
人は摂取したカロリーの素(糖質4kcal・脂質9kcal・タンパク質4kcal)を分解し、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー通貨に変換して利用します。
- 糖質 → グルコース → 解糖系・TCA回路・電子伝達系 → ATP
- 脂質 → 脂肪酸 → β酸化 → ATP
- タンパク質 → アミノ酸 → 脱アミノ化 → TCA回路へ
これに加え、菌は多様で、人間よりずっと多彩な「代謝経路」を持っています。
利用方法~菌~
- 好気呼吸菌:糖や脂肪を分解し、酸素を使ってATPを得る(人と似ている)
- 嫌気発酵菌:酸素なしで糖を分解し、乳酸・エタノールなどを出す(エネルギー効率は低い)
- メタン菌:二酸化炭素と水素からメタンを作り、エネルギーを得る
- 硫黄細菌・鉄細菌:硫黄や鉄を酸化還元してエネルギーを得る
- 光合成細菌:光を使ってATPを合成する
結局のところ、人も菌も食品やミネラルなどからATPを獲得するためにカロリーをとっている、ということになります。
カロリーが慢性的に取れなくなると、優先順位の低い生理機能から順にオフになっていって、家電みたいに省エネモードに切り替わります。
低カロリー状態が長引くほど機能が限られてきて、様々な不調をきたしていくというのは生命として自然な流れであるということです。
炎に薪をくべ続けなければ、やがて炎の勢いはなくなっていく…
今や人も微生物もカロリー不足。
人は食事をとることで回復できますが、微生物は?
そんな時に必要なのがカロリーたっぷりの「廃菌床」ということになってきます。


