化学反応の「場」

多孔質というのは、スポンジのように、細かい穴が無数にある物質のことを言います。

細かい穴があるということは、表面積が大きくなるということ。

土壌粒子や、微生物、空気と触れる面積が大きくなるということです。

物質の表面は、化学反応の「場」

多孔質表面で起こる反応には以下のようなものがあります。

  • 陽イオン交換(CEC) 
    • 表面のマイナスが、土壌中の表面のマイナスが、土壌中の陽イオンをつかんだり放したりする
    • Ca²⁺ ⇄ K⁺ ⇄ NH₄⁺
  • 反応器のプロトン化/脱プロトン化
    • 表面の-OHや-COOHが H⁺ を出し入れし、pHの緩衝になる
    • -COOH ⇄ -COO⁻ + H⁺
  • 吸着と脱着 
    • 栄養・有機酸・微生物由来物質が 貼りついたり剥がれたりする
    • フミン酸・アミノ酸の吸着
  • 酸化還元反応
    • 表面の電子状態に応じて、Fe・Mn・S・Nの形態が変化する
    • NO₃⁻ → NH₄⁺, Fe³⁺ → Fe²

多孔質資材の性格

先日触れたゼオライトも、バーミキュライトもパーライトも多孔質構造を持つ鉱物系資材です。

しかし、全てが同じ性質を持つわけではありません。

むしろそれぞれ機能が違っていて、様々な性格を持っています。

  • ゼオライト(Zeolite)
    • 骨格全体に陰電荷 (−) が生じる常時陰電荷
    • CEC(80〜150 cmol(+)/kg 程度)
    • 孔は 規則的で均質(0.4〜0.7 nm)
  • バーミキュライト(Vermiculite)
    • 層状構造のスライドできるスペースを持っている。可変陰電荷
    • CEC(120–180 cmol(+)/kg)(粘土鉱物の中でも高い)
    • 吸水膨張性高い。離水性緩やか(湿度緩衝材になる)
  • パーライト(Perlite)
    • 泡状の 物理的多孔質
    • CEC(0〜3 cmol(+)/kg)
    • 通気性 ↑排水性 ↑

要するに、

ゼオライトは「栄養の出し入れ」が得意

バーミキュライトは「栄養と水の保持」が得意

パーライトは「空間づくり」が得意

ということです。

ではこういった資材を、塩類集積回避のために投入できるのか。

次回、塩類集積に対する鉱物資材のはたらきについてみていきます。