軽量培土のように貫入抵抗値が極端に低いと、根は土の粒子を押し退ける苦労がなく、最短距離で外側へ伸びようとします。
壁に突き当たった根は、壁に沿って進むという楽なルートを選びます。
その結果、根鉢は土をつかんでいないため、定植の際にむき出しになって定植ダメージを受けてしまいます。
これは根の怠慢がもたらした結果です。
「重い土」ではどうなるか?
根は土の抵抗が強いと、そのままでは進むことができません。
そのため細胞を横に広げ、直径を増大させます。
ここで、曲げに対する抵抗力(円の断面二次モーメント) を考慮してみると
I=πd⁴/64
曲げに対する抵抗力は直径(d)の4乗に比例して強くなります。
つまり、直径が増すことで根は曲がらずに突き進む力を得ます。
さらに根は形状を変えます。
根の先端にかかる圧力を分散させつつ、増えた土に対する摩擦力を踏ん張りにして、さらに突き進むことができるのです。
それでも止まってしまったら
さらに貫入抵抗性が高まり、太い主根が足止めされると、その部分に植物ホルモン「エチレン」が蓄積していきます。
そうすると主根から
「枝分かれしろ~」
という合図が送られ、培土の中でも隅々まで側根がいきわたります。
こうしてできた根鉢は崩れず、定植時にむき出しになることはありません。
また太い根は乾燥に強く、側根に水分を届け続けるので、定植の際にもダメージが少なく、活着の早い根になると考えられます。
そして定植後、貫入抵抗値の大きい圃場であっても苗の頃から鍛えられていた根は、主根、側根のコンビネーションで、強く健康な生育を行うことができるのです。

