鉱物系資材が多孔質という側面を持ち、多孔質の性質の違いによってユニークな機能を持つようになる、というところまで見てきました。
その性質をもとに、塩類集積を防ぐ機能はあるか、かえって塩類集積の原因になったりしないかを考えていきます。
得意なことから考える
- 「栄養の出し入れ」が得意なゼオライト
- 塩類集積に対しても、可動性の高いCa²⁺やK⁺が保持されたゼオライトはNa⁺と交換反応を起こします。
- ゼオライトは「Na⁺の緩衝タンク」として機能します。
- 「栄養と水の保持」が得意なバーミキュライト
- Na⁺などを層間に一時的に保持し、急激な塩濃度変動を抑える緩衝機能。
- また、水分保持力が高いため、塩の濃縮を遅らせる効果も。
- 「空間づくり」が得意なパーライト
- 土壌の透水性を改善し、塩を下層に洗い流す、排塩の助けになる。
- 化学反応は少ないが、物理的な塩分拡散・移動には有効。
このように考えると、鉱物系資材は塩類集積の緩和に有効だという期待が持ててきました。
では鉱物資材が塩類集積の原因になることはないのか…
性質が裏目に出る
実は安価なゼオライト(海成由来)やベントナイトではNa⁺含有量が高く、Na害(土壌分散・アルカリ化)を誘発することがあります。
またその高いCECという特徴によって、肥料や灌水によって供給されたK⁺・NH₄⁺・Na⁺が、粒子表面に蓄積→局所的塩濃度上昇「イオン飽和」を招きます。
蒸発が進む乾燥条件では、水だけが先に失われて塩分が残留します。
土壌が重く・粘りやすくなり、雨や灌水後に塩分を洗い流す力が低下します。
施用量や品質によっては塩類集積対策として有効ですが、
スポンジのような性質によって、塩類を抱き込んで離さず、新たな塩類集積のもとになる可能性もあるということです。
鉱物資材はほどほどにつかうことで塩類をなだめるメリットがあります。
残るは植物性の堆肥。
次回から植物性堆肥の施用について考えていきます。


