ステート遷移は弱光や、光の質が偏っているときに光の利用効率を調整するメカニズムです。
しかし、植物にとって強すぎる光もストレス要因になります。
NPQ
ステート遷移のアンテナ移動ではさばききれないほど多量の光が降ってきたとき、そのままではシステムが壊れてしまいます。
そこで植物が行うのが「NPQ(非光化学的消光)」です。
NPQは光合成では使いきれない過剰な光エネルギーを「熱」として逃がす仕組みです。
NPQ(非光化学的消光)のプロセスを、3段階でまとめると
- 「光が多すぎる」と気づく
- 光合成がフル回転し、葉っぱの中が酸性になります。これが「もう限界」のサインです。
- 「捨てるモード」に切り替える
- 酸性を感知して、PsbSというタンパク質がスイッチを押し、光の通り道を変えます。
- 「熱」にして外へ逃がす
- キサントフィルという成分が姿を変えて(ビオラキサンチン → ゼアキサンチン)、余ったエネルギーを「熱」として外へ捨て、自分を守ります。
人工物 VS 自然
太陽光で発電する「ソーラーパネル」。
太陽光が強すぎるとき、消費できない分は勝手に熱として逃げていきますが、その際高温パネルの発電効率は下がり、パネルの寿命は短くなります。
しかし植物は積極的に熱として逃がし、システムが壊れるのを防ぐという、人工物ではなしえない荒技をいとも簡単にやってのけるのです。

