前回までは、植物が施肥によってミネラルバランスを崩してしまうこと。対照的に無施肥栽培では菌根菌が活性化し、バランスよく栄養素を運んでくれることについてみてきました。
ここまで見てきたのはミネラルという栄養素の動き。
しかし植物にとってはもっと本質的な栄養素が存在しています。
それが「水」。
植物にとって水とは
そもそも水は水素と酸素からなるので、ミネラルの範疇ですが、やはり水に関しては他ミネラルより特別視しなければいけないほど根源的な要素です。
まず水は植物の体の80%以上を構成しています。
乾燥地帯の厚い葉肉をもつ多肉植物ですらその域を下回りません。
また、光合成も水がなければ始まらず、体温も気孔による水分制御「蒸散」によって調整されています。
水溶性の肥料成分も水に溶けた状態で植物体内を駆け巡り、水の「膨圧」によって背の高い植物も直立することが来ています。
このように、水は植物の生命維持活動のほぼすべてに用いられています。
水にも適度がある
植物は自ら必要な分、水を吸収するというイメージを持ちがちですが、乾燥環境では確保できなかったり、反対に生命維持活動以上に吸収してしまうことがあります。
その代表的な症状が「裂果(れっか)」です。
- 乾燥後の急な吸水: 土壌が乾燥した状態が続くと、植物は水分を節約するために、果実の皮(果皮)が硬くなります。その後に突然、大量の雨が降ったり、水やりをたくさん行ったりすると、植物は水を一気に吸収します。
- 膨圧の上昇: 吸収された水分は、果実へと向かいます。このとき、果実の内部は急激に膨張しますが、硬くなった果皮がその膨張に耐えきれず、ひび割れたり、裂けたりしてしまうのです。
当然過小な水分では、枯れてしまいます。
この絶妙なバランスを最適に保ってくれる存在はまたしても「菌根菌」なのです。


