植物が土壌に残す有機物は
地上部の「茎と葉」と地下部の「根」
だけではありません。
前記事でグルマリンを形成する菌根菌のエネルギー源は
植物の光合成産物であるということに触れました。
つまり、植物は、根からジワジワと炭水化物を滲出しているということになります。
滲出液の中身は
植物は絶えず、
- 糖類(単糖・二糖類)
- アミノ酸(ペプチド、タンパク質)
- 有機酸(クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸 など)
- フェノール類・フラボノイド
- 多糖・粘質物(ムシゲル)
などの成分を、自らの生育環境を有利にするためにバランスを調整しながら放出しています。
また
- ホルモン様物質
- 抗生物質様物質
- シグナル分子
なども放出して、根圏微生物群のオーケストラを指揮しています。
滲出液量は膨大
枯れたときに土壌に蓄積する茎と葉や根と違い、
絶えず分泌される浸出液は、直ちに微生物に消費されます。
ただし、単になくなるのではなく、
微生物にエネルギーを与え、グルマリンや団粒構造として蓄積されていきます。
その滲出液量は、実はかなり膨大で、
植物が固定した炭素の 5–21% が浸出液として使われるということが分かっています。
植物栄養利用戦略分類に関与する機能的形質としての根の浸出率 – PMC
つまり植物による土づくりにかかわる有機物総量は
【地上部(茎葉)の総量】+【地下部(根)の総量】+【滲出液の総量】
と考えることができるのです。
これで植物が蓄積する有機物による土づくりの内訳が明らかになってきました。
そして前回の記事でTopとRootどちらに投資するべきかという点で、
今回、Rootに根から出る滲出液の量も含めて考える必要があるということが分かりました。
Root=地下部を育てれば、土づくりは進んでいく。
それでいて作物もしっかり収穫していく、
好循環の土づくりが見えてきました。


