前回、育苗培土の種類によって、作業者の負担や効率化につながるが、保水性や保肥性が変わり、過酷な環境で苗づくりをしているということについて考えてきました。
それ以外にも苗づくりにおいて重要だと考えているのが「比重」。
そしてそれがもたらす「貫入抵抗値」です。
貫入抵抗値とは?
土の比重が大きくなったり、隙間が減少すると、根の先端が土を押し分ける際に多くのエネルギーが必要になりますが、その際に根が土から受ける抵抗を
「貫入抵抗値」
といい、単位はMPa(メガパスカル)で表されます。
貫入抵抗値が大きいほど、根の伸長が抑制されます。
- 0.5〜1.0 MPa: 根がスムーズに伸びる「快適な道」。
- 2.0 MPa以上: 多くの植物で根の伸長が著しく制限される「通行困難な道」。
根をサボらせると…
貫入抵抗値が大きい土ほど、根が伸びづらくて、「悪い土」のイメージがあります。
しかし以下の文献では土壌の貫入抵抗値が上がると、すべての植物で根の直径が増加することが報告されています。
Penetration of very strong soils by seedling roots of different plant species | Plant and Soil
苗という環境はどれほど天然の資材を使っても、不自然な環境です。
均質でふかふかで柔らかい土、かと思えば、突如現れる紙やプラスチックでできた壁…。
ストレスフリーで伸び放題の根は壁にぶつかりポットの中でグルグル回ります。
これをルーピング現象といいます。
そんな苗はポットを外せば中身はスカスカ。
ボロボロと土が根から剥がれ落ち、根がむき出し。
定植時に傷つきやすく、土には共生微生物も含まれているので、活着するまでリセットされてしまいます。
軽い培土では、根はサボってしまうということです。
では貫入抵抗値が高い土ではどのような根が作られるのか。


