植物には「T/R(Top/Root比)」という考え方があります。
地上部(Top)と地下部(Root)
この二つの重さのバランスのことです。
T/R=5程度の植物(C4植物など)があるとすれば、
地上部の重さが5に対し、地下部の重さは1。
つまり5tの収量がある植物には、1tの地下部の重量があり、
総量6tもの有機物があるということです。
意外と多い…
最適分配理論
しかし、この比率、
この植物のT/Rはこのくらい。
と決まった値を示すわけではありません。
植物は環境によって柔軟に地上部と地下部の比率を変えることができます。
これを「最適分配理論」と呼び、おおむね以下のようになります。
| 要因 | T/R ↑ | T/R ↓ |
| 水分量 | 豊富 | 乾燥 |
| 肥料 | 肥沃な土壌 | 貧栄養な土壌 |
| 光強度 | 弱光 | 強光 |
| 生育ステージ | 成熟期・生殖成長期 | 幼苗期・栄養成長初期 |
| 土壌温度 | 適温〜高 | 低温 |
| 物理的ストレス | 風がない・支えがある | 強風 |
例えば、ビニールハウスなどの施設で、溶液栽培を行った場合、
水分と肥料は豊富に存在しているし、温度は外気よりも高く、風もない。
そうするとT/Rは極端に小さくなり、両手に収まるくらいの根圏で数mの茎葉を支える個体が出来上がります。
土づくりのT/R
どんな作物も残渣を残すので緑肥の役割を持ちます。
緑肥の役割のひとつである、
「有機物の蓄積」に関しては、
「T/R↑」の環境で育てれば、地下部(Root)は減少しますが、
効率的に有機物総量を獲得することができます。
反対に、
土壌の発達に関しては、
地下部の大きさがその効果量を示します。
つまり上記の表で、「T/R↓」となる環境下で育てれば、
土壌構造の発達に寄与する根を育てることができます。
有機物をもたらす緑肥。
地上と地下、どちらに投資するべきか。
見過ごされがちなある観点から見ていきたいと思います。


